【瀬戸内版】タイラバの重さの決め方|水深×潮×流し方で迷わない実践ガイド(しまなみ/今治/松山)

タイラバの重りと針とスカートとネクタイ タイラバ

「今日は何gで行けばいいですか?」船長にそう聞く前に、自分でおおよその見当がつくようになると、釣りがグッと楽しくなる。

タイラバの重さは「正解が一つ」ではなく、水深・潮の速さ・流し方の掛け算で決まる。40年の釣行経験から、瀬戸内(しまなみ・今治・松山・周防大島・笠岡諸島)の実状に合わせた「迷わない選び方」をまとめる。

📌 40年の経験から:結論はシンプル。「底が取れる最軽量」がそのポイントのベスト重量。そこから風・潮・流し方で上方修正するだけ。

基本原則:タイラバの重さは「底取り優先」で決める

タイラバはボトム(底)から巻き上げてくる釣り。底が取れなければ始まらない。重すぎると真下にドンと落ちてラインが立ち、横への誘いが消える。軽すぎると底が分からず、タナも合わない。

水深別・重さの基準早見表(瀬戸内標準)

水深 基準重量(流れ普通時) 速潮・強風時 緩潮・アンカー時
〜20m 20〜30g 40〜60g 20g以下も可
20〜40m 40〜60g 60〜80g 30〜40g
40〜60m 60〜80g 80〜100g 60g
60〜80m 80〜100g 100〜120g 80g
80〜100m 100〜120g 130〜150g 100g
⚠️ この表はあくまで目安。瀬戸内は場所によって潮の速度差が大きく、同じ水深でも「しまなみの瀬戸」と「笠岡周辺の内湾」では全く異なる。船長の指示が最優先。

瀬戸内エリア別の傾向

しまなみ海道エリア(因島・生口島・大三島周辺)

瀬戸内で最も潮の速いエリアのひとつ。大潮の時は水深40mでも80g以上が必要になることがある。「ラインが寝て底が取れない」という状況になりやすい。ドテラ流しが多く、120g以上を持参する準備が必要。

笠岡諸島・神島エリア

水深20〜40mの比較的浅い場所が多い。潮はしまなみより穏やかだが、地形が複雑で根掛かりが多い。60〜80gが使いやすい。

今治沖・燧灘

水深40〜60mが中心。流れは速い日とゆるい日の差が大きい。80〜100gを基本に、当日の潮況を見て上下する。

松山沖・中島周辺

水深50〜80mのポイントが多い。100gを軸に考える。伊予灘側は速潮になることもある。

「流し方」でも重さが変わる

ドテラ流し(船を流す)

船が潮に乗って横流れするため、ラインが斜めに流れやすい。通常より重め(20〜40g増し)で底取りを確保する。ラインが45度以上寝たら重量不足のサイン。

アンカー・スパンカー流し(ほぼ真下)

船位が安定しているため、軽い重量で底を取りやすい。基準より軽め(20g軽減)でも十分なことが多い。

現場での「重さ調整」手順

  • Step1:まず基準重量で投入
  • Step2:底が取れるか確認→取れなければ20g増し
  • Step3:ラインの角度が30〜45度になっているか確認
  • Step4:真下(ほぼ垂直)ならドテラでは軽すぎのサイン→重くする
  • Step5:釣れた人の重さを確認→同じにして再現する

よくある失敗と対処法

症状 原因 対処
底が取れない 重さ不足or強潮 20〜40g重くする
ライン角度が45度以上寝る ドテラ+速潮+軽量 重量を上げる・巻き速度を一定に
真下にドスンと落ちる 重すぎ 20〜40g軽くする
周りより重くしても取れない ライン径が太い PEを細めに変更(1号→0.8号など)

持参すべき「重さセット」の考え方

  • 【基本セット】60g・80g・100g(これで8割のポイントに対応)
  • 【浅場用】40g・60g(しまなみの島間・笠岡の内湾向け)
  • 【速潮用】120g・150g(しまなみ大潮・強風ドテラ向け)
📌 40年の経験から:タングステン製ヘッドは鉛より小さく沈下が速いため、速潮でも軽めの重量で底が取りやすい。80g鉛→60gタングステンと交換して解決したことが何度もある。コスパは悪いが1〜2個忍ばせておく価値はある。

よくある質問(Q&A)

Q. 船長に「80gで」と言われたが、底が取れない。重さ変えていい?

まず船長に「底が取れないのですが重くしてもいいですか?」と確認する。多くの場合「いいよ」と言ってもらえる。黙って変えるより一声かけるのがマナー。

Q. タングステンと鉛、どちらがいい?

速潮ポイントや深場ではタングステンが有利。コストは高いが1〜2個持っておくと「鉛では底が取れない」という状況を解決できる。普段使いは鉛で十分。

Q. ドテラ流しの日は何が変わる?

船が横に流れるためラインが斜めになりやすい。底取りに必要な重量が増し、巻き速度が遅くても釣れることがある。隣の人との絡みにも注意が必要。

まとめ:重さは「底取りが成立するか」で決める

タイラバの重さ選びは、シンプルに「底が取れる最も軽い重量」を基準にすること。そこから水深・潮速・流し方で調整するだけだ。

最初は早見表を参考に、現場で調整しながら感覚を掴んでいこう。40年かけて掴んだコツも、実釣で試し続けることで初めて身につく。

実釣エピソード:重さ選びで釣果が変わった日

今治沖で釣友と2人で乗り合い遊漁船に乗った日のこと。二人とも同じ80gのタイラバを使い、全く同じ釣座から釣り始めた。1時間経っても私には当たりがなく、釣友は3枚釣っていた。

「何が違うの?」と聞くと、「底が取れてないんじゃない?」と言われた。確認してみると、確かにラインが45度以上流されてボトムを取れていなかった。100gに替えた途端、次の流しで当たりが出てマダイを釣り上げた。

重さの基準は「底が取れること」。これを実感した一日だった。同じ船に乗っていても道具の使い方で釣果が変わるという典型例だ。

タングステンと鉛ヘッド、使い分けの実際

タングステンは鉛より比重が高く(鉛約11→タングステン約19)、同じ重さでもヘッドが小さい。これが瀬戸内の速潮で有利に働く。

素材 メリット デメリット 向いている状況
鉛ヘッド 安価・種類が豊富 体積が大きく潮受けが多い 普通の潮速・コスパ重視
タングステン 小さく潮受けが少ない・落ちが速い 高価(鉛の3〜5倍) 速潮・深場・鉛で底取れない時
📌 40年の経験から:鉛100gで底が取れない時、タングステン80gに替えたら底が取れて釣れた、という経験が何度もある。タングステンを1〜2個だけ持参する「保険」として使うのがコスパの良い運用法。

よくある質問(Q&A)

Q. 「底が取れている」かどうか、どうやって確認する?

最も確実な方法は「着底の感触」を手で感じること。ラインを軽く指に当てながらフォールさせ、テンションが抜けた(ふっと軽くなった)瞬間が着底だ。不安な場合はラインカウンター付きのリールが有効で、水深と一致するかを確認できる。

Q. 重すぎるとどんな悪影響がある?

重すぎるとラインがほぼ垂直になり、タイラバが「巻き上げるだけ」の動きになる。ネクタイが横に広がらず、誘いの幅が極端に狭くなる。また底に当たる感触が強くなり根掛かりリスクも上がる。「ちょうど45度前後」を目安にすること。

Q. ドテラ流しの時だけ重くすればいい?

基本はそうだが、ドテラの場合は潮上(風上)と潮下で必要な重さが変わることがある。潮の流れと風向きが反対の場合、特に難しくなる。まず基準重量を入れてみて、ラインの角度を見ながら現場で判断するのが確実だ。

Q. 船長に「80gで」と言われたが底が取れない。勝手に変えていい?

勝手に変えるのではなく、必ず「底が取れていないのですが重くしてもいいですか」と確認する。ほとんどの船長は「いいよ」と言ってくれる。黙って変えるのではなく一声かけることがマナーであり、船長からアドバイスをもらえることもある。

Q. タングステンに変えたら軽くできる?どれくらい軽くできる?

目安として鉛の80%程度の重さで同等の沈下速度が得られる。鉛100g→タングステン80g程度が一般的な換算。ただし形状・ブランドによって差があるため、現場での調整は必要だ。


📌 筆者プロフィール
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。
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