瀬戸内でバーチカル(縦)の青物を狙う場合、ジグの選択が釣果を大きく左右する。
「メタルジグなら何でもいい」は半分本当で、半分嘘だ。瀬戸内の水深・潮速・ターゲットサイズに合ったジグを選ぶことで、同じ船に乗っていても釣果に差が出る。40年の実釣経験からポイントを整理する。
まず結論:瀬戸内バーチカルに合うジグの条件
- 重量:60〜150g(水深・潮速に合わせて選択)
- 形状:センターバランスまたはやや後方重心(フォールで食う)
- カラー:シルバー系・ゴールド系・ゼブラ系(基本の3色があれば十分)
- フックセッティング:前後ダブルアシストが安定(大型にはシングルが掛かりやすい)
ジグの重量選択:水深×潮×流し方
| 水深 | 目安重量 | 注意 |
| 〜30m | 60〜80g | 浅すぎると根掛かり・着底確認を丁寧に |
| 30〜50m | 80〜100g | 瀬戸内の最も一般的なバーチカルレンジ |
| 50〜80m | 100〜130g | 大潮・速潮時は150gも必要 |
| 80m以上 | 130〜200g | 深場は少ないが松山沖などで発生 |
ジグの形状:フォールの「仕方」が鍵
センターバランス(水平フォール)
水中でほぼ水平に漂いながら落ちる。フォール中にヒラヒラとアピールするため、ブリ・ハマチが追いかけやすい。
瀬戸内の青物にはこのタイプが最も安定した釣果を出しやすい。代表ジグ:ジグパラバーチカル、マサムネ等。
後方重心(ストレートフォール)
頭から落ちるような直線的なフォール。潮が速い日や深場で底を素早く取りたいときに有利。フォールの食わせ効果は水平より劣るが、着底感が明確でアクションがつけやすい。
前方重心(ジャーク向き)
ただ巻きよりジャーキングで激しくアクションするタイプ。バーチカルよりはキャスティングに向いているが、スローなワンピッチで使うと食う場合もある。
カラーセレクション:3色でほぼカバー
| 色 | 状況 | 瀬戸内での実感 |
| シルバー系(フラッシング) | 晴天・澄み潮・水深30m以上 | 魚探にベイトが映っているとき特に効く |
| ゴールド系 | 曇天・濁り潮・朝夕マズメ | 朝イチの反応が良いことが多い |
| ゼブラ(赤金/青銀) | 中層で反応がある時・変化球 | 周りが釣れなくなった時の一手 |
💡 カラーローテは「効果がない」と感じてから変えるのではなく、15〜20分当たりがなければ変えていくことが基本。同じジグで粘り続けるよりローテーションを意識する。
フックセッティング
前後ダブルアシストフック(基本形)
フロント(頭)とリア(尻)の両方にアシストフックを付けるセッティング。食い方が多様なためバラシが少ない。初心者に最もすすめる形。
フロントのみシングルアシスト(大型向け)
ブリ70cm以上が多いポイントでは、フロントだけのシングルが大きく口を使う大型に掛かりやすい。リアフックがスレ掛かりの原因になることがあるため、大型主体の日は外すことも考慮。
アクション:バーチカルの基本は「ワンピッチジャーク」
竿を1回しゃくるたびにリールを1回転巻く「ワンピッチジャーク」が基本。これを一定リズムで繰り返しながら底から中層まで誘い上げ、フォールで食わせるパターン。
釣れない時のパターン変化として:
- スローなロングジャーク(竿を大きくゆっくりしゃくる)
- ただ巻き(着底後にリールを一定速で巻き上げるだけ)
- フォール中の「止め」(シャクリを止めて数秒フォールさせる)
安全面:青物釣りで一番大切なこと
バーチカル青物は大型の魚がヒットすることがある。そのため安全対策を他の釣りより意識する必要がある。
- キャストは周囲を確認してから(ジグのフックは凶器)
- ランディング時は必ず船長またはサポートと連携
- タモ入れはランディングポール使用・無理な抱え込みをしない
- ライジャケ着用は絶対(青物釣りは体勢が前傾になりがち)
ジグ選びの実践的なコツ:まず「沈下速度」を揃える
バーチカルジギングで複数のジグを持参する場合、「同じ水深に同じ時間で届くジグ」を選ぶことが重要だ。メーカーや形状が違っても「着底までの時間」が揃っていれば、実釣でのタナ管理がしやすくなる。
現場でのチェック方法:「3カウント(3秒)で何m沈むか」を確認しておくと、タナを変える時に計算しやすい。
よくある質問(Q&A)
Q. タイラバとバーチカルジギング、同じ日に両方やれる?
「タイラバ兼バーチカル青物」の遊漁船が瀬戸内では珍しくない。同じポイントで魚探に青物が映ったらジギングに切り替えるという船も多い。ただしタックル(ロッド・リール・ライン)が別々に必要なため、2セット準備して行くことになる。まずどちらかに絞って覚え、慣れてきたら両方持参するのが現実的なステップだ。
Q. ジグは国産とアジア製、どちらがいい?
入門期は品質が安定しているメーカー品(メジャークラフト・シマノ・ダイワなど)から始めるのが無難。根掛かりでロストした時の精神的ダメージが少なく、「たくさん試せる」アジア製の格安ジグも一部の人が使っているが、フックやスプリットリングの強度に不安があることもある。まずは信頼できるメーカーの80〜100gを2〜3個から始めることをすすめる。
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。

